飛鳥まで足を延ばし古い神社とキトラ古墳に行ってきた。静穏な環境が残る飛鳥は大好きな場所。
大阪から、奈良県の飛鳥の地まで行きました。高速を使えば車で片道1時間程度です。言わずもがな古代大和が発展した土地であり、多くの古墳や史跡が残る地で、私も今まで数回訪れたことがあります。国の方針もあり緑豊かな丘陵地帯の続く静かな環境が保存され、心が落ち着く大好きな場所です。
今回は、キトラ古墳の壁画の公開があるので、それを観るために訪れました。
キトラ古墳に行く前に桜井市にある「等彌神社(とみじんじゃ)」に寄りました。
初代天皇である神武天皇が、この地の鳥見山(とみやま)で大和平定等を神々に報告した場所とされ、それが起源とされる古い神社です。 ある意味ここから大和王朝が始まったとも言えるのでしょうね。
鳥居をくぐると奥は深く緑が続きます。道の両側に他の神を祀る神社が続きます。
奥に上津尾社があり、ここに天照大神が祀られています。
本殿。
神木らしきものがあり、また参拝されて記念の碑がありました。
猿田彦など他の神々も祀られています。
猿田彦(さるたひこ)は、天孫降臨のときに道案内したとされる、天狗の元とも言われる神様ですね。天の岩戸のお話で、裸踊りをしたアメノウズメ命と結婚したことから縁結びの神ともされているとのこと。
「鳥見山(とみやま)」に登る入口に稲荷神社もありました。
夫婦杉もあります。
ここにも古代からの歴史を感じる神社がありました。
この後、キトラ古墳に向かいました。
「キトラ古墳壁画体験館 四神の館(しじんのやかた)」という施設に壁画は保管されています。
古墳の4面にある壁画の内、今回公開されているのは「白虎(びゃっこ)」です。
壁画は2階の部屋の中にあり、事前予約が基本で、当日に空きがあれば見ることもできます。見学時間は10分間です。そこには薄く丁寧に剝がされて保管されている「白虎」がありました。筆で描かれたのでしょうか、美しい黒い線で描かれ、一部、赤味などの色彩も残っていました。拡大鏡を持参したので、線を拡大して観察できました。現物も観れてよかったです。
この古墳は7世紀末~8世紀初頭頃、今から約1200年前に造られたものだそうです。その古い壁画が残っているのは素晴らしいですね。
1階には資料やレプリカの展示がありました。
古墳の石で囲まれた石室の構造(レプリカ)。
石室の4面の壁、東壁に青龍、南壁に朱雀、西壁に白虎(今回の公開されたもの)、北壁に玄武が描かれいるとのこと。
北壁の玄武
南壁の朱雀
東壁の青龍
この古墳は、日本周遊時に訪れた装飾古墳「王塚古墳(おうづかこふん)」(6世紀中頃)より後の時代になり、構造や壁画の内容、構成は異なります。
ここの図柄等は韓国に同様なものが存在するとのことで、韓国からこの地に移り住んだ渡来人が作成したと推定されるとのこと。
先日の神功皇后(じんぐうこうごう)伝説もそうですが、韓国は古代の文化を語る上で重要な国ですね。古代の日本は、発達した大陸の文化を輸入するために韓国が欠かせない存在だったのでしょうね。
埋葬されている人は誰なのかはまだ判明していないとのこと。
ここの発見は地元の人の古墳があるとの報告により調査が始まり、内部の壁画の発見は1983年とのことで、それまで知られていなかったというのはちょっと驚きです。もしかしたら他にも発見されていない古墳や史跡はまだまだあるのかもしれませんね。
発見後、傷みの進行を抑えるため、剥がして保管することにしたとのこと。剥がす作業等のビデオが上映されていましたが、作業は非常に繊細で困難なもので、それを成功させた偉業に脱帽します。
体験館の隣に実際の古墳が保存されています。
ポコッと盛り上がった小山です。
模型がありました。
天気もよく、気持ちのよい風が吹きぬけていました。いつも思いますが、古代の遺跡はいい場所にあります。やはり人が選ぶ好みは古代から変わってないのですね。
今回は「白虎」の公開でしたが、他の壁画の公開もあるそうなので、また来たいなと思いました。
ではでは。