映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を観てきました。3時間を超える長い作品でちょっと暗く重い内容ですが、その重厚さをいい意味で、ずしずし感じながら飽きることなくじっくり観られるいい作品でした。 やっぱりマーティン・スコセッシってすごい監督ですね。レオナルド・ディカプリオが主演ですが、彼は制作にも名を連ねています。単なる明るい作品ではなくこのような重厚な作品を手掛けるのは素晴らしいことだと思います。
この映画は、石油を掘り当てたために裕福になったインディアンの種族を差別的に殺しながらのし上がろうとする白人の親戚一家を描いています。 原作は「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生(原題:Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI)」という、ジャーナリストのデヴィッド・グランが書いたノンフィクションだそうです。
このような人種差別から起こった大きな悲劇が、歴史的な事実として存在するんだなと改めて考えさせられます。映画の中でも映像が流れた黒人が殺された『タルサ人種虐殺』という事件もあるそうです。
私はヨーロッパに住んだことがあるのですが、アジア人に対する偏見は存在しました。幸い大きな被害は受けませんでしたが、人主差別の意識が心の中にある人はいるのだと思います。私も心の中に全くないとは言えません。課題はどう振る舞うかどう行動するかなんだと思います。
映画にはフリーメイソンやKKKという白人の組織の名前も出ます。民族の問題も根深いですね。 日本だって国粋的な組織はあるし。
この映画は、忘れがちになる人種差別、民族の問題を、事実をベースに、いろんな立場の人の振る舞い、物語を丹念につづることによって、見る人に突きつけます。
出てる役者ではディカプリオ演じる主人公が結婚するインディアンを演じたリリー・グラッドストーン (Lily Gladstone)が素晴らしかったです。澄んだ眼差しとクールな凛とした表情。映画に厚みをもたらしていました。もちろんディカプリオや、叔父役のロバート・デ・ニーロの演技もよかったです。
またエンディングの映像は圧巻でした。
やっぱりマーティン・スコセッシ監督はすごい監督ですね。 私はロバート・デ・ニーロ主演の「タクシードライバー」からのファンです。他にもいい映画がたくさんあります。
いい映画でした。
ではでは。