7月12日~10月2日まで開催されている「テート美術館展 光ーターナー、印象派から現代へ」に行ってきました。 テーマにあるように光をどうとらえ、どう描くかに重点を置いて選ばれていた作品群が並んでいました。目玉のひとつターナーなど素晴らしい作品が多くありました。その中でも、私にとっては現代美術のジェームズ・タレルの展示を見られて大満足でした。
場所は六本木にある「国立新美術館」です。
展示は17世紀―18世紀のターナーから始まり、前半は印象派などの作品が並びます。途中、現代美術の立体作品も混じっていました。
ターナーはいいですね。
この作品もよかったです。ジョン・エヴァレット・ミレイ「露に濡れたハニエニシダ」 (1889-90年) 中央に繊細に描かれるシダに自然の生命を感じ、そこに当たる光のバランスがいいですね。
写真はないですが、他にも印象的な作品がたくさんありました。
下記はわかりにくいですが中央に鏡の四角い箱があります。
草間彌生「去ってゆく冬」2005年
中をのぞくと鏡に反射した多くの円が重なり、交錯する絵が見られます。
後半は現代美術です。
その中でも私は、ジェームズ・タレルの作品『レイマー、ブルー』が良かったですね。
白い部屋の中の壁に四角い枠があり、その枠から青い光がそそいでいいます。枠の角の光が少し強いためか、角から側面の壁にスジのようにみえ、部屋の中に立つと(狭い部屋なのに)広がりを持った大きな空間にいるような錯覚を感じます。それは青い光のなかで自分が浮かんでいるような気持ちにもなります。不思議な体験です。
ジェームズ・タレルの作品に初めて触れたのは、香川県の直島にある「地中美術館」の展示でした。 そこに『オープン・フィールド』という作品があり、そこも白い部屋の空間に四角い青い光がありました。その中に立つと、これまた広大な空間の中にいるような不思議な感覚がありました。それまで私は現代美術に対し「なんかよくわからないんだよなあ」と、あまり興味がありませんでした。しかしこの作品は私にとって衝撃で、「現代美術ってすごい」と思うようになるきかっけでした。ちなみにこの作品は2000年の作品で、今回の「テート美術館展」の『レイマー、ブルー』は1969年の作品だそうです。直島には他にもジェームズ・タレルの作品があり、島全体が現代美術館のようなアートの島で素晴らしいところでした。また行ってみたいな。
他の現代美術も素晴らしかったです。
ペー・ホワイト《ぶら下がったかけら》2004年
ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(726)》1990年
オラファー・エリアソン《黄色vs紫》2003年
黄色と紫の二つ円が部屋の周りに照射されながら動きます。 二つの円の動きは異なるので交わったり、離れたり、観ていると不思議な感覚になります。
ピーター・セッジリー《カラーサイクル III》 1970年
この円の色が変化します。同系色で変わったり微妙な変化があったり、不思議な感じです。
左:デイヴィッド・バチェラー《ブリック・レーンのスペクトラム 2》 2007年
右:デイヴィッド・バチェラー《私が愛するキングス・クロス駅、私を愛するキングス・クロス駅 8》 2002-07年
オラファー・エリアソン《星くずの素粒子》2014年
いやー面白かったです。
東京展は10月2日までなので観たい方は急いでください。(大阪展もあるそうです)
ではでは。