あいしろう blog IMAGINE

想像してみよう。それは何をもたらす? この後どうなる?   ときに楽しい夢を。ときには厳しい視点で。 

70年代後半~80年代前半(昭和50年代)のマンガ、私的ベスト50(ちょっとマニアック)

 70年代後半から80年代前半(昭和50年代)の私にとって、マンガ(漫画)が人生の全てって感じでした。 読むだけでなく、マンガを描く、同人誌を創る、仲間内で語り合い交流する、私の頭の中はほとんどマンガのことばっかりだったのでした。もう30年以上昔ですねえ。今から見ると、この時代の画の表現等は、今の流行りとは違う面もありますが、エポックメーキングな作品が多かったように思います。少なくとも私にとっては、刺激にあふれ躍動的であり革新的なマンガ達でした。

 そんな時代のマンガを私的に振り返りベスト50を選出してみました。同じ作者(原作者除く)の作品は複数ピックアップしてないので、私的マンガ家ベスト50にも通じるかもしれません。(ま、作者と作品は、作品を発表した後は独立しているものですが。。)

 マンガ描き志向の視点もあり、週刊誌で売れてたものとかは少ない、ちょっとマニアックな選出になっていることをご理解下さい。

 

50位:人魚變生 山田章博

 今やイラストレーターとして有名な山田章博さん。関西の同人誌界からデビューされていたと記憶しています。その画力に圧倒され惚れていました。妖艶な画とストーリーが魅力。

 

49位:愛のアランフェス 槇村さとる

 フィギュアスケートを描いた素晴らしい作品。しっかりしたストーリー展開、そして絵が好き。

 

48位:哀愁荒野 松久由宇

  これも絵が好きだったのですよねえ。ホステスが主人公の夜の裏のお話。作者は後述する吾妻ひでおさんのお友達だとか。。

 

47位:P.S. 元気です、俊平 柴門ふみ

P.S.元気です、俊平 (1) (講談社漫画文庫)

P.S.元気です、俊平 (1) (講談社漫画文庫)

 

  後に「東京ラブストーリー」とかで超有名になる柴門ふみさんの商業誌デビュー作ですね。柴門ふみさんは、当時、活動的で有名だったお茶の水女子大の漫画研究会に所属していましたねえ。さえない男と強気な女の子との交錯やすれ違いの展開が面白いマンガでした。掲載されたヤングマガジンも愛読してました。

 

46位:うる星やつら 高橋留美子

  今でもコスプレが盛んなラムちゃんですよ。かわいくて楽しくて強引なラムちゃんが引っ張るドタバタ、恋愛コメディ。これも主人公の男がだらしないんですよねえ。この頃の女性マンガ家の男性誌作品の傾向かな。草食系男性の走り。キャラでは錯乱坊(チェリー)が好き。

 45位:自転車にのって  夢野一子

 自転車で暴走する元暴走族の男性と女性の恋愛ものストーリー少女漫画。 このマンガも絵が好きでした。

もう単行本は絶版で、その後、青年誌にも描いてたんですね。

 

この女に賭けろ(1) (モーニングコミックス)

この女に賭けろ(1) (モーニングコミックス)

 

 

  44位:下北なぁなぁイズム   石坂啓

  もうこれも絶版なんですね。 今やコメンテーターや思想家として有名な作者のデビュー作。落ちこぼれ男性の学生生活を描いた作品。かわいい絵柄ながら、シビアな内容が面白かった記憶が。これも情けない男と強気の女性って組み合わせだね。

 

赤ちゃんが来た (朝日文庫)

赤ちゃんが来た (朝日文庫)

 

 

 43位:ノーラの箱船  御厨さと美

ノーラの箱舟 SF短篇集 奇想天外コミックス

ノーラの箱舟 SF短篇集 奇想天外コミックス

 

 

  このマンガは絵が好きだったんだよなあ。技術力ではピカイチなマンガ家ではないでしょうか。 お話は空母にまつわる戦争、SF物。

 作者はこの名前ですが男性です。

 

 42位:男組  画 池上遼一 作 雁屋哲

 

 これも絵が好き。 単に絵が上手い人ってたくさんいるけど、人物のデッサンがしっかりしている人は少ないのです。(特にこの頃は) そんな中で池上遼一さんは群を抜いていたと思います。内容は男のケンカ物。当時、少年マンガには、学校の不良を描いたケンカ物は多くて、そこに拳法ブームを更に乗せた作品。

 

41位:最後の妖精  木村直巳

 このマンガも絵が好きでした。当時愛読していた雑誌「マンガ少年」の新人賞 佳作入選作。もう手に入らないようですね。 木村直巳さんはマンガジャパンの世話人をなさってるそうです。

 

さよならインプ

さよならインプ

 

 

40位:ぎゅわんぶらあ自己中心派  片山まさゆき

ぎゅわんぶらあ自己中心派 (1)

ぎゅわんぶらあ自己中心派 (1)

 

  麻雀、パロディ ギャグマンガ。愛読していたヤングマガジンで連載。絵はしょうもない(すみません。)んだけど、パロディが面白かった。持杉ドラ夫とかネーミングも秀逸。

39位:軽井沢シンドローム  たがみよしひさ 

 シリアスな絵柄とコミカルな絵柄の交錯、リズミカルな展開やネーム(セリフ)の使い回し、どれもが斬新な作品でした。ま、女好きな男が主役というところは、しょーもないと言えばしょーもないのですが。。面白かった。

 

38位:不条理日記  吾妻ひでお

不条理日記 SFギャグ傑作集

不条理日記 SFギャグ傑作集

 

 その後、ロリコンブームで大人気になり、また失踪したときの経緯をまとめた「失踪日記」も評判になった吾妻ひでおさんの初期の作品。 SFファンをうならせるギャグのセンスが楽しかった。 絵柄もいいですね。出版元の奇想天外社も多くのマンガ作品をサポートしたいい出版社でした。(今は既になく。。)

 

37位:宇宙海賊キャプテンハーロック  松本零士

 

宇宙戦艦ヤマト」で超有名になった松本零士さんですが、ヤマトはあくまでアニメがメインで、マンガでは、キャラがいいのでこのキャプテンハーロックがいいかな。ま、そこまでニヒルで何なのよというハーロックですが、私は(自分にない面として)ニヒルでクールな男キャラが好きです。

 松本零士さんで一番いいキャラは「男おいどん」の大山昇太(おおやま のぼった)かな。その冴えないやぼったい性格が。。(連載が70年代前半なのでこのリストからはあえなく脱落)

 ちなみに松本零士さんの女性キャラの色っぽさは奥様のマンガ家 牧美也子さんが描いてるのだとか。

 

 

36位:BE FREE!  江川達也

 80年代後半に閃光のように現れた新星、それが江川達也さんでした。そのスピード感のあふれる展開と、男の欲望のエッチな表現が斬新でしたね。

 今やタモリ倶楽部の常連でもありますが。

 

35位:ライトブルーペイジ   さべあのま

ライトブルーペイジ (MF文庫―さべあのま全集)

ライトブルーペイジ (MF文庫―さべあのま全集)

 

 

 もうお話は忘れてしまいましたが、その画風から漂う雰囲気が素敵でした。さべあのまさんは、当時、話題だった同人誌「楽書館」に描かれていた方です。「スージーちゃんとマービー」がNHK教育テレビでアニメ化されてましたね。この前、再放送がありました。

 

 

 34位:サイボーグ009 石ノ森章太郎

 

  今更紹介するまでもない大御所の石ノ森章太郎の名作「サイボーグ009」。この作品のメインはもっと前の60年代~70年代前半なので、ここに上げるべきではないかもしれませんが、この時代にも短編や連載が執筆されてました。 サイボーグにされた9人の悲哀の話とも言える作品。再アニメ化、映画化とかもこの時代にあり、いつも話のネタになっていました。

 

33位:綿の国星 大島弓子

綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫)

綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫)

 

  雌の子猫、須和野チビ猫が、擬人化されて登場し、その視点で描写される人間の世界が語られる作品。その画風と描写手法が独特の世界感を生んでいます。当時、マンガファンの間では絶大な人気がありました。

 

32位: 赤々丸  内田美奈子

赤々丸 1

赤々丸 1

 

  主人公が異次元で犬族と猫族が繰り広げる戦争に巻き込まれるSFマンガ。この頃、こんな画を描きたいなあと思って読んでいたマンガ。 

 

31位:ファミリー 渡辺多恵子

  アメリカのLAで繰り広げられる家族劇。わんちゃんもかわいかった。この作品も絵が好きで読んでました。メリハリのあるいい絵です。

 

30位:蘇州夜曲  森川久美

蘇州夜曲 (花とゆめCOMICS)

蘇州夜曲 (花とゆめCOMICS)

 

  妖艶でちょっとヨーロッパ調の絵。昭和初期の上海という妖しげな街で繰り広げられるサスペンス。 粋な作品でのめり込んで読んでました。

 

29位:那由他  佐々木淳子

  女子高校生が超能力を手に入れて異次元の戦いに巻き込まれていくSFマンガの佳作。

 

28位:GU-GUがんも 細野不二彦

  アニメ化されたので覚えてる方も多いのでは? 太目に描かれる人間の輪郭がいい味を出すマンガ家。 この後も佳作を多く残してますね。

 

 27位:かっこいいスキヤキ  泉昌之

かっこいいスキヤキ (扶桑社文庫)

かっこいいスキヤキ (扶桑社文庫)

 

  久住昌之さんと泉晴紀さんとの共作。 抜群のセンスで物事をとらえて描写されるギャグマンガの傑作。ウルトラマンの出る作品が好きだったのですが、既に削除されてるそうです。。。(円谷プロダクションの許可を得てなかったらしい。 パロディのセンスのない会社だなあ)

 

26位:夢幻紳士  高橋葉介

夢幻紳士 マンガ少年版 (ソノラマコミック文庫 た 48-1)

夢幻紳士 マンガ少年版 (ソノラマコミック文庫 た 48-1)

 

  筆ペン風な強弱を持った輪郭と陰影で描かれる画風。怪奇、猟奇的な雰囲気と物語。独特な味のある世界を持った作品。この方も「マンガ少年」でデビューしたマンガ家ですね。

 

25位:風呂上がりの夜空に  小林じんこ

風呂上がりの夜空に(1) (ヤンマガKCスペシャル)

風呂上がりの夜空に(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

  主人公は、彼女を中学生のときに助けたときにつけたキズ後がお尻にある。その彼女と主人公の恋愛を軸に高校生の友達達とともに、日常に起こる出来事が面白く綴られた佳作。

 作者はバンドRCサクセションのファンであり、その名曲「雨上がりの夜空に」にちなんだ題名。 私もRC大ファンなのでそんな面もシンパシーを感じていました。愛読してたヤングマガジンの連載でした。

 

24位:マタギ  矢口高雄

マタギ(1)

マタギ(1)

 

 

 矢口高雄さんといえば「釣りキチ三平」が有名ですが、この作品は、タイトルになっている「マタギ」という、秋田県の地方に古くからいる熊狩りをする狩人の生活を描いたもの。 秋田県出身の矢口高雄さんならではの作品。

 私が好きなマンガの描き方とは違う方向の作家ですが、「釣り」好き、「動物」好きな観点から好きで、この作品も「マタギ」の存在を教えてくれたものとして敬愛していました。高校生時代にマンガのスタジオに見学、お邪魔したことがあって、矢口高雄さん自らが非常に丁寧に応対してくれたことを覚えています。気さくで真面目なお方だという印象でした。

 先日、東北に旅行したときはマタギ資料館なんてところにも行ってみました。大した展示ではなかったけど、使用する道具とか歴史が分かって楽しめました。

 

 23位:アクター  かわぐちかいじ

 

 「沈黙の艦隊」等でその後大ヒットするかわぐちかいじさんの初期の作品。女形の舞台俳優だった主人公が監督に見いだされ映画俳優に抜擢されるが、その映画関係者との間で繰り広げられる恋愛、憎悪のドラマ。パワーのある画がどろどろしたドラマに迫力を付加し、引き込まれながら読みました。すばらしい人間劇だと思います。

 

22位:エイリアン通り(ストリート)  成田美名子

エイリアン通り(ストリート) (第1巻) (白泉社文庫)

エイリアン通り(ストリート) (第1巻) (白泉社文庫)

 

 

 少女漫画の雑誌としては白泉社のLaLaは愛読していて(男ながらに、、 本屋で買うのがちょっと恥ずかしかったのですが、、)その連載の中で好きだった作品。

 しゃれた線のきれいな画とリズミカルな展開が好みでした。アメリカのLAで暮らす美少年シャールを軸に繰り広げられるエピソード、事件を綴った佳作。

 美少年、LAってのがこの時代らしい設定ですね。

 

 21位:日出処の天子  山岸涼子

日出処の天子 第1巻 完全版 (MFコミックス)

日出処の天子 第1巻 完全版 (MFコミックス)

 

 

 聖徳太子を主人公にマンガ化するという非常に大胆な作品。まさにエポックメーキングなマンガの一つだと思います。 正直言うと、画そのものはそれほど好きではないのですが、物語も面白く、聖徳太子の時代を考え直したという意味で貴重なマンガでした。山岸涼子さんは言わずもがなの少女漫画の大家ですが、この作品は、私にとってある意味で今の仏像や神社好きに通じる体験だったのかもしれません。

 そう日本は”日出る処”なのですよね、と改めて確認。

 

20位:アリオン  安彦良和

アリオン (1) (中公文庫―コミック版)

アリオン (1) (中公文庫―コミック版)

 

  安彦良和さん、言わずと知れた「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインをされた方です。ガンダムのテレビ放送は1979年ですから、この時代はガンダムブームが始まった時代でもあります。アニメの話は別途したいと思いますが、その安彦良和さんが初めてマンガを執筆された作品。

 安彦さんと言えばやはりその画力でしょう。凄すぎます。私にとってその力は憧れであり、決して届くことができなかったものでした。お話もギリシア神話をベースにしていて、神話大好きな私を虜にしたものです。

 

19位:翼の記憶  佐藤晴美

 ちょっとマイナーなので、もう作品は絶版ですね。愛読していた雑誌「マンガ少年」で掲載された動物もののマンガ。それは動物&マンガ好きの私の心をくぎ付けにしたのでした。佐藤晴美さんは関西にお住まいの方で、その家まで押しかけちゃってお会いする位好きでした。私にとって忘れえないマンガ家さんです。

 

マイ・ロード (ジェッツコミックス)

マイ・ロード (ジェッツコミックス)

 

 

 

18位:アタゴオル物語  ますむらひろし

 

  これも雑誌「マンガ少年」掲載ですね。「マンガ少年」は週刊誌ベースに乗らないような作品を掲載してマンガをサポートしていた雑誌ですね。 絵は好き嫌いのある絵柄ですが、主人公の猫 ”ヒデヨシ”に代表される独特なキャラクターと世界感が魅力ですね。 ある意味、エポックメーキングかと。

 

17位:風と木の詩  竹宮恵子

風と木の詩 (1)

風と木の詩 (1)

 

 

 少女漫画の大御所 竹宮恵子さんの代表作。美少年、同性愛、そして性描写とそのときのタブーを打ち破った画期的マンガ。妖艶なジルベールに代表されるキャラといい、ストーリーといい、面白い作品でした。 

 ”美少年”マンガの先駆けとして、その後多くの女性ファンが”JUNE”などの同性愛の世界にはまっていきます。私の周りにも多くのそういうファンがいました。

 

16位:夢みる惑星  佐藤史生

  SF、ファンタジーの傑作。 絵柄は好きにはなれませんでしたが、その世界、物語性は圧巻でした。こんな世界だよ、描きたいのはと興奮した覚えがあります。

 少女雑誌として愛読していた「プチフラワー」の連載でしたね。

 

 

15位:はみだしっ子  三原順

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

 

 

 暗いんですよ、この作品。でも良かった。(ま、根が暗い私なので)

 親から見放された子供4人が、一緒にけなげに生きていくお話。かわいい4人(グレアム、アンジー、サーニン、マックス)にそれぞれ個性があって、彼らが一般社会で懸命に生きていきます。 セリフ、ネームが非常に多くて読むのに時間のかかる重い作品です。少女誌「花とゆめ」に連載されてました。

 後、絵ですよね。太い輪郭と目の大きな顔。確かなデッサン力。画力は尊敬していました。

 ちなみに作者は既に亡くなられておられるとのこと。残念です。

 

  14位:マカロニほうれん荘  鴨川つばめ

 

 70年代後半に燦然と現れた衝撃のギャグマンガ、「マカロニほうれん荘

 高校ピーマン学園に転校してきた真面目な”そうじ”が”トシちゃん”、”キンドーさん”という年喰った落第生のおバカに巻込まれるドタバタギャグ。 特撮ファンにバカ受けの仮装ギャグ満載の、リズム感にあふれる、ホントに衝撃的な作品でした。

 いつもは週刊少年誌は読まなかったのだけど、これは読んでましたね。

 作者は、この作品で完全燃焼します。それ位のエネルギーのあった作品。

 

13位:ストップ!! ひばりくん!  江口寿史

ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1

ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1

 

  上述、「マカロニほうれん荘」と同時期にライバル誌”少年ジャンプ”で連載されたギャグマンガ「すすめ!! パイレーツ」。 その作者が第2弾として連載したのがこの「ストップ!! ひばりくん!」。

 パイレーツも好きだったけど、作者が美少女描きに目覚めるようなこの作品の方が好きかな。他にも江口寿史さんには面白いマンガはたくさんありますが、何せ寡作なのでねえ。。 今はイラストレーターとしての地位を確立されてますね。

 

12位:絶対安全剃刀  高野文子

絶対安全剃刀―高野文子作品集

絶対安全剃刀―高野文子作品集

 

 

 週刊誌ものから一転、マニアックな作品です。 どう表現したらいいんだろう。多分、今までのマンガの文脈とは違う表現なんですよね、この作品は。 それが凄くて、衝撃的でした。マンガという表現媒体が広がりを見せた一幕だと思います。

 

11位:空の色ににている  内田善美

空の色ににている (ぶーけコミックス)

空の色ににている (ぶーけコミックス)

 

 

 80年代前半で燦然と輝く、究極の画風とその内容の重さ、文学性を持った秀作。 マンガ表現のひとつの到達点としてもいいんじゃないでしょうか。圧倒されました。この作者にも他にもたくさん秀作があります。

 もう全て絶版なんですね。凄い高値で取引されてるようです。作者が再版を希望していないとか。。。

私の蔵書も貴重なものになってしまいました。

 

 10位:火の鳥  手塚治虫

 

火の鳥 6・望郷編

火の鳥 6・望郷編

 

 

 言わずとしれたマンガの神様、手塚治虫さん。その中の「火の鳥」は、1950年代から描かれてる長大な作品ですが、ちょうどこの時代に愛読していた「マンガ少年」の目玉としても掲載されていたので、ここで取り上げました。「火の鳥」は、長きの歴史と未来に渡る輪廻、転生をくり返すような壮大な物語。本音でいうとこの時代より、初期の黎明編とかの方が好きです。

 手塚治虫さんは、日本のマンガの描写法、多くの後輩を輩出した偉大な方ですが、作品にはその振幅の大きさゆえにいい作品もあり、あまり好みではないものあり、色々です。その影響力の大きさゆえにマンガ界がその枠を抜けきれない期間もあったように思います。

 しかしこの時代にその枠は大きくぶち壊され始めたように感じます。

 

9位:樹魔・伝説  水樹和佳子

樹魔・伝説

樹魔・伝説

 

 

 SFマンガの傑作。ヒト、宇宙、精神そして樹木 神秘的な世界を内包しつつ描かれたSF。これこそセンス・オブ・ワンダーと言える作品。

このような傑作が少女漫画から出たことが素晴らしい。

 

8位:緑茶夢  森脇真末味

 

 こちらはロックマンガの金字塔。その物語と、バンドの描写、唄うときの迫力、緊迫感はすごかった。 でももう絶版なんですねえ。 残念。

 作者は関西出身で前述の山田章博さんとはお友達だった記憶が。

 

7位:巨人たちの伝説  星野之宣

LEGEND OF GIANTS 巨人たちの伝説 (ビッグコミックススペシャル)

LEGEND OF GIANTS 巨人たちの伝説 (ビッグコミックススペシャル)

 

 

  あの超メジャー ”週刊ジャンプ” が見出したマニアックSFマンガ家の一人、星野之宣さん。彼の代表作です。 過去に地球に栄えて氷河期に侵され滅びた”巨人族”。そしてその後の現代人もまた新たな氷河期が訪れその対策に挑むのだった。。

 これ以外にも「はるかなる朝」「妖女伝説」など多くの素晴らしいSFマンガ作品があります。当時私は追っかけていましたね。

 

6位:ドラゴンボール 鳥山明

 

 超メジャー作品がここで登場です。もう何も語る必要のない作品ですが、鳥山明さんは、その画力、想像力溢れる物語、構成力 全てに秀でた天才だと思います。最初の連載は「Dr.スランプ」で、その登場はマンガファンの間でも衝撃でした。そしてこの「ドランゴボール」で国内だけでなく世界的マンガ家に登りつめます。

 いまだに何回も読みたい作品ですね。

 

5位:風の谷のナウシカ 宮崎駿

 

 これも今や世界で超メジャーなジブリアニメで有名な宮崎駿さんの作品。もちろん宮崎駿さんは多くのテレビアニメ、映画作品で活躍された実績で既にこの時代でも神として崇められていたのですが、その宮崎さんの初の長編マンガとして、この作品は注目されていました。

 ”火の七日間” 戦争”で文明が壊れた後の荒廃し腐敗した世界、そこに住む様々な生物、そこで繰り広げられる二大国の戦いに巻き込まれながら真実を求めるように活動するナウシカ。そして真実は。。。。

 SFとしての構想、構成、物語性。ナウシカという強い美少女キャラ、今までのマンガのペン入れの仕方などの描き方とは違う画。どれも凄い作品でした。

 映画の”ナウシカ”もいいですが、マンガの方が百万倍すごい。 もしまだ読んでない方がいたら絶対に読むべき作品です。

 

4位:夢見る頃をすぎても  吉田秋生

夢みる頃をすぎても (小学館文庫)

夢みる頃をすぎても (小学館文庫)

 

 

 吉田秋生(よしだあきみ)さんです。少女マンガでありながら、恋愛ものじゃなく、若い男性などの生活や活躍を描くような作家。長編「カリフォルニア物語」がこの頃描かれていて、それも大好きなのですが、あえてこの短編集を選びました。男子高校生の何気ない生活、ある意味どうでもいいような日常を描いています。だけどそこに一種のリアル感、親近感が湧いて、ときにはしんみりしながら、ときには笑いながら共感して楽しんでいました。その乾いた生活描写が、少女マンガなのに小さい目で描かれる顔や、頭でっかちじゃないデッサンのしっかりした体の画とあいまったいい作品です。

 作者はその後、「BANANA FISH」のような長編、映画化された「桜の園」「海街diary」など多くの佳作、傑作を世に出していき、今でも描き続けておられます。素晴らしい!

 

3位:暗黒神話  諸星大二郎

 

暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)

暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)

 

  私をノックアウトした、日本の古代史をベースにしたジャンル分けできない不思議なマンガ。一人の少年が、あるとき「君のお父さんは殺されたんだ」と教えられ、冒険、事件へと巻込まれる。古代史にまつわる種族の末裔などに会ったりしながら、少年の出征の秘密が明らかになっていく。。。。 

 正直いって画は上手くないです。でもそれも今までのマンガ手法の延長線上にないものとしても捉えらます。(そういえば当時、宮崎駿さんも好きだと講演で話されていたのを覚えています。)

 でも画より何といってもその描かれる世界感がこの作品は凄い。 こんな風に古代史を感じたことがなかったのが衝撃でした。今の私が古事記とかの古代史が好きなのはこのマンガの影響です。

 諸星大二郎さんの作品との初めての出会いは「妖怪ハンター」でした。珍しく手に取った「週刊少年ジャンプ」に掲載されていたのを読んだのでした。1974年のことですね。「妖怪ハンター」も傑作です。前述、星野之宣さんと並び週刊少年ジャンプ」が見出したマニアック作家の一人ですね。

 その後、作者は「マッドメンシリーズ」「西遊妖猿伝」など多くの傑作を世に出していて、今でも創作活動を続けられています。未だに他に類をみない稀有なマンガ家だと思います。

 

2位:ポーの一族  萩尾望都

ポーの一族 復刻版 1 (フラワーコミックス)

ポーの一族 復刻版 1 (フラワーコミックス)

 

  言わずと知れた少女マンガの傑作。連載が1972年から76年とのことなのでギリギリ、この時代に入ります。もう語る言葉が出ないほど大好きな作品です。

先日書きましたがもうすぐ新作が読めるとのことで楽しみで仕方がありません。

 

aishirou.hatenablog.jp

  萩尾望都さんのこの時代の他の作品も大好きです。「トーマの心臓」のような欧風な作品と多くのSF作品「11人いる!」「スターレッド」「ウは宇宙船のウ」などなど。。。 

 中でも光瀬龍原作の「百億の昼と千億の夜」は私を仏像の世界へ引き釣りこんだ私にとっては忘れられない傑作です。(「週刊少年チャンピオン」では浮いていましたが。。)

 

1位: 童夢  大友克洋

童夢 (アクションコミックス)

童夢 (アクションコミックス)

 

 

 1980年のあの衝撃は忘れられません。「アクションデラックス」に掲載された「童夢」の第1回を読んだときの衝撃。 そのとき既に大友克洋さんは短編集「ショートピース」を刊行されていて、未完だった「Fire Ball」が話題になっていました。私は「ショートピース」や「マンガ奇想天外」で大友さんの作品を読んで ”なんだこの乾いた描写は! こんなの見たことない” 、”「Fire Ball」読みてえ!”って騒いでいました。そんな大友さん既体験だった私でも「童夢」は、ホントに衝撃的でした。

 描写、進行、物語、アクション 全てが異次元の出来でした。

 既に多くの方が語られていますが、その画の描写法は、それまでの手塚治虫的、マンガ的、劇画的手法とは全く違うものでした。 小さい目、低い鼻、動きの途中で止める人物の描写、ロングでとらえた人物、乾いた白い背景、かといって緻密な背景、建物等の濃密な描写などなど。。。。 マンガを”大友以前、大友以後”と後に語られる、大友克洋さんの登場はまさに事件だったのだと思います。浦沢直樹さんを初め今のマンガに脈々とその流れは流れています。

 大友さんの作品では「AKIRA」が一番有名だと思いますが、マンガとしては物語を含めた全体の完成度からこの「童夢」がBestだと私は思います。 その「童夢」も今や絶版なんですね。 残念です。

 

 最後に改めてこの時代のマンガを眺めてみると、エポックメーキングな作品が多いなと再認識します。いい体験でした。

 

 ではでは。

 

お題「昭和」

 

 

漫画アクション No.9 2019年5/7号 [雑誌]

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気分はもう戦争 (アクション・コミックス)

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4月末に飛び込んできた衝撃のニュース。それは「ポーの一族」の新作が40年ぶりに掲載!!

 いやー、ホントに体が震えたというか、電車の中でスマホを見ていて飛び込んできた衝撃的なニュース。「ポーの一族」の新作が40年ぶりに掲載。

news.mynavi.jp

 萩尾望都さんの「ポーの一族」は、マンガ史上に残る名作でありますが、私にとっても今まで読んだマンガの中でTop5の中に入る逸品です。ここで改めて物語は書きませんが、その物語展開、主人公達のキャラクターの妖艶な魅力、画力と構成、構図、その画で表現される雰囲気、それらの総合的な力が衝撃的であり、いまだに色あせない魅力です。 私は単行本で読んだ口ですが、いつもはヒトや作品に厳しい友達の女性も、その連載の雑誌の発売を待ちきれなかったと、言っていたのを今でも覚えています。 モー様とファンに慕われた萩尾望都さんの作品としては他にも多くのいい作品があり、「トーマの心臓」を一番と言う人もいますが、私にとってはポーの一族」が一番かな。

 

 萩尾望都さんは今でも活発にマンガを描かれていて、ヒットすると描かなくなるマンガ家も多い中、長きに渡る創作意欲は素晴らしいというかスゴ過ぎます。この前、NHK浦沢直樹の漫勉に出られていましたね。そのペン入れは美しかった。。 

 

 そんな萩尾望都さんの名作の新作が読めるなんて、ホント雑誌の発売が楽しみです。

 復刻版も発売されるのだとか。 まだ読んでない人は読んでみては?

 

 

 ではでは。

 

 

 

 

GW前にまた青森に行ってきた。

だいぶご無沙汰してしまいましたあ。

 昨年の8月からちょっと生活に変化があり、Blogの更新をできていなかったのですが、また少しずつ書いていきたいと思います。

 さて今はGW真っ最中ですが皆さんは何をされてますか? 私はいつもGWは特に遠くとかには出かけず、5月2日は清志郎君の命日なのでライブに行ったり、近場で友達と飲んだり、のんびりしてます。旅行とかは混むしねえ。混んでるところは苦手です。

 でも4月、5月は気温も丁度いい気持のいい季節なのでGW前後には旅行にはよく行きます。例年、京都に行くのですが、今年は昨年の6月に引き続き青森にまた行ってきました。見逃した青森県立美術館十和田市現代美術館を観るのをメインの目的に。

 

 美術館はそれぞれ趣き、面白さがあって楽しく、他に三内丸山遺跡八甲田山ドライブも楽しめました。食事も美味しかったし、ちょうど桜も見ごろで弘前城十和田市官庁街通りの桜がきれいなのはよかったです。

弘前城の桜。お城が例年より移動して遠くになっちゃてます。。>

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十和田市 官庁街通り。現代美術館の前の通りです。>

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で、旅行に行くと私はレンタカーを借りて色んなところを廻るのですが、そのとき必要なのはスマホ。もちろんレンタカーにもナビはついてるのですがいちいち場所を入力するのは面倒で、他の情報を見るためにもスマホをナビにも使用しながら走ります。

 そうなるとスマホ用の電源が欲しくなるので、いつもクルマ用USB電源は必ず持っていきます。

 

星光産業 モニターUSBポート EM-124

星光産業 モニターUSBポート EM-124

 

 

 後、小さ目のスマホホルダーを持っていくと更に便利ですね。

 

星光産業 A/Cスマホホルダー ホワイトEC-181

星光産業 A/Cスマホホルダー ホワイトEC-181

 

  地方に行くと電波状況が悪くてスマホのアクセスが遅いのが難かなあ。

 そんなときのために必ず行きたいところとかはGoogle MapをOff Lineでも見れるように保存したりしてます。

 こうやってスマホ依存症から抜けられないのでした。

 ではでは。

 

お題「旅行に必ず持っていくもの」

近大開発の「ウナギ味のナマズ」。 顧客視点ではちょっとなあ、資源枯渇の対策活動としては尊敬するけど。。 

 マグロ完全養殖等で有名な近畿大学(近大)が「ウナギ味のナマズ」を開発したと発表しテレビ等で話題になってた。

 さて皆さんに聞きます。お金出して食べたいですかあ?」 試しに食べたいというのはわかる。質問変えると「ウナギが欲しいときにいくらまで出しますか?」 答えは半値位かなあ?

 近大の発表によると半値を目指すとあるので、まあそれならありの開発ではある。でも通常の商品開発としてはマイナス志向だよね。

 そもそも「ウナギ蒲焼」の顧客価値は「ウナギ」自体にあると思う。要はブランド。その「ウナギ」がないから「ナマズ」にして、一番大事な価値をまず下げてる。「ナマズ」ってちょっと気色悪く感じるので、その払拭は大変そう。それで味なんだけど、報道によるとウナギよりちょっとあっさりしてるとのこと。これもウナギ本来の価値を下げてるように聞こえる。

 ウナギが食べたいときに高いからナマズにして、味はウナギのように濃厚でなくあっさりとなると、やっぱり半値以下だなあ。 報道を観てると他にも「育成期間が半分」など、作り手、供給者の視点でのメリットが目立つのにちょっと違和感を感じた。まあ、養殖業とかの人は喜ぶだろうけど、もう少し顧客視点のプレスにすればいいのになあ。発想が、「ウナギ資源が枯渇してる」から来てるからこうなっちゃうんだろうな。

 私だったらまずなんかネーミングを考えて、「美味しい蒲焼」として売り込むなあ。他の栄養とかの顧客価値を前面に出して「ウナギよりいい蒲焼」として。もしかしたら「ナマズ」ということは言わないかも。(確か魚類は言うことは法的にはマストではないかと) まあ「ウナギ」自体の価値がバカ高いので、それでも半額も厳しいかもしれないけど。

 たぶん今のままだと流通に買い叩かれて安売り合戦に巻き込まれるように思う。もしくは安居酒屋とかの外食の蒲焼メニューとか。回転寿司の魚が名も知られてない深海魚とかが使われてるのは有名な話だけど、それと同じ扱いとか。顧客価値がないただの安い、効率がメリットだとこうなっちゃう。皆で思考、努力してアピールすべきは顧客価値の創造なんだよ。効率化は裏の仕事(大事だけど)。

 漁業資源が大変厳しい中、近大の養殖開発を私は大変尊敬している。要はその努力を「作り手視点」ではなく「顧客視点」でもっとアピールして欲しいと感じた。

 

 ではでは。

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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観てきた。荒涼とアクション。この世界は生理的に好き嫌いわかれるよね。

 いつも遅い鑑賞になってしまう映画だが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』をやっと観てきた。

 1979年公開から始まった『マッドマックス』シリーズは、ちょっと郷愁を感じるが私自身はそんなには、はまらなかった。この映画に影響を受けたマンガ『北斗の拳』も多くの強敵と段階的に格闘していくストーリー展開は嫌いじゃないけど、世界感は疑問かな。友達は両方に熱狂してたけどね。

 そんななか懐かしさに惹かれながら『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を夫婦で観に行った。カミさんは前作は観た記憶がないとのこと。その結果、私は結構楽しめたけどカミさんはあんまりって感じだった。結局、アクション、格闘好きのアドレナリン全開映画なので、その世界感、趣味が嫌いな人は逆に耐えられないかも。ある意味プロレス的な映画。

 ということでこれから観る人、特にデートとかで行こうという人は注意した方がいいかもね。

(★以下、ネタバレあり注意)

■好きなところ

・(文明が滅亡した後の)荒涼、荒廃感 

   この設定は好き

・そんな絶望的な状況で、個の力でがんばるヒーロー感

・目標だった「緑の地」が無くなっていた絶望感と生きるためのエネルギー感

・ウォーボーイズ軍団の車の先頭でギター弾いてるやつ 

   訳わからない感がたまらん

・広大感を感じるロングの映像とアクションの接近した映像の組み合わせ

   広大な砂漠で車が疾走するシーンはいい

・そこで広げられるカーチェース、戦闘、アクションの迫力とそれを実現した画像撮影

    実写が多いとか。すごい迫力

■好きになれないところ

・ウォーボーイズ軍団の下劣な暴力志向、カリスマ頭領の存在という単純設定

・車とかの暴力的デザイン(好きなところもあるけど)

・そういう下劣さとヒーロー/女性という美的なものの戦いという単純さ

・それらによってアドレナリン上昇させて観客を鼓舞する演出

■ちょっと疑問なところ

・主人公のマックスより女性のフュリオサの方にヒーロー感を感じること

  おいおいマックスがんばってよ。。

 

 まとめると文明が滅亡した荒涼の世界で絶望感や罪悪感を持って生きてる人が、愚劣な悪者と徹底的に戦って、ドキドキしながら”やれーっ”(ヒャッホー?)とアドレナイン全開させて画像の迫力を楽しんで、最後に勝って安堵。結果、楽しかったあと感じる映画かな。特にそれ以上のテーマはなし。

ということで個人的採点は72点(100点満点)

 

ではでは。

 

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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』日本版予告編 - YouTube

 

 

 

 

やっぱりどう考えてもおかしい新国立競技場の建設計画。見直そうよ。これを見直せないようじゃ日本は終わり。

 もういろんなところで報道され語られてるけど、私も書かずにいられない、新国立競技場問題。昨日のNHKクローズアップ現代での内容や他の報道を見て経緯概要をまとめると下記のようだ。

A:元々の要件

  1. 2020年オリンピック開催国選考のためのアピールできるもの
  2. 2019年ラグビーワールドカップにも使えるように
  3. サッカーワールドカップ開催の要件である80,000人を収容できるように
  4. 音楽コンサートが開催できるように屋根付き(騒音問題で屋根が必要とのこと)
  5. 予算は1300億円

B:上記の要件を満たすためにデザインコンクールを行い、一番アピール力のあるザハ・ハディド氏のデザインが選ばれた。このとき1のオリンピック開催国のアピールを優先し、5の予算に関しては精査されなかった。

クローズアップ現代でお金のことはどうにかなるだろうと思ったと委員の1人が発言していた。これは呆れた。)

C:安倍首相がオリンピック開催国選定会でこの競技場を実現するとプレゼンテーション。

D:オリンピック東京開催決定後、予算1300億円では収まらない建設費3000億円近くになることが発覚

E:再度、安くする方法を検討したが、検討が甘く、やっぱり高い見積もりになり、開閉式屋根をやめ中央の増設席を仮設にしてどうにか2500億円に。

F:この内容で承認。しかし予算の財源は未定。

G:この建設費では収まらないのではないか、建設後の維持費や収入計画も計画通りにいかないのではないか? 修繕費はどうすのだ との意見もある。

 

  まず素朴に信じられないのがFの財源ないのに予算が承認されてしまうこと。これってお小遣いないのにおもちゃ注文してるようなもんだから子供でもおかしいって分かるよね。家庭だとお金なくてローンの審査も終わってないのにマンションの契約してるようなもんじゃないの? そんなことしたら破産して無理心中しなくちゃならなくなるよ。ギリシャを笑えない。。

 

 まず当初の要件は満たされてないので、普通の企業等だったら見直すよね。そのとき重要なのは要件をどう優先度つけて調整するか。1は既に満たして終了していて、話によると、IOCとしてはどういう競技場にするかは東京次第とのこと。であればデザインは見直していいということ。

 5の予算に関しては財源のめどが立たない、またただでさえ節約は必要な財政事情を考えれば最優先すべき要件。 ここの優先度下げちゃうって誰のお金だと思ってるんだろうJSCとか役所は。。。

 4のコンサート使用は、なんかがんばっても年間6億円の収入しか見込めないそうなので一番低い優先度。

(ちなみに今の計画では、年間6億円の収入のための屋根の追加に170億円かかかるらしい。これって回収に28年間(←170億円÷6億円)かかるってこと。呆れる計画)

 2のラグビーワールドカップは時間が間に合わないなら他の場所にできないのか?検討の余地あり。 

 3はサッカーワールドカップは将来の話だから、優先度を落としてもいい。

 ということで5の予算1300億円を最優先して、他のデザインにし、ラグビーとサッカーを調整するというのが普通の判断でしょ。

 そんな中でクローズアップ現代では、この競技場の責任者である日本スポーツ振興センター(JSC)河野理事長が「文部科学省のミッションに基づいて(言われたままに)やってるだけです」と述べ、文部科学の下村大臣は「JOCが課題を上げてくるのが4月と遅すぎた」と述べていた。この両者の発言って責任逃れしてるだけだよね。お店のアルバイトとリーダーの会話じゃないんだから。普通の企業だったら二人ともクビでしょ。

 ある調査によると民意の8割が見直すべきと回答とのこと。大多数の人がそう思っている民意が反映されないこの国はどうかしてる。

 こんな状態だと、100%の国民がNoと言っても政府が戦争すると言うと止められないのではないの??

 やれやれ困ったもんだ。

 そもそも誰がこれで進めたいと思ってるの? もしかしてやるとプレゼンしてしまった安倍首相、あなた? あなたのメンツのためにこんな多額のお金使わないで。

安倍首相、今あなたが新国立競技場を見直すと言ったらヒーローになれるよ!支持率アップのチャンス。(但しそれで安全保障法制が通ると思わないで)

 

 ではでは。

 

 

 

 

 

www.nhk.or.jp

女子サッカー、ワールドカップ決勝。おつかれさま、なでしこジャパン。ありがとう、ワールドカップを楽しませてくれて。

 女子サッカーワールドカップ決勝戦は2対5という結果で、日本代表が敗北し、USAが優勝した。

 今回の敗因は、最初の1点目のロイドの得点の後に、ロイド対策で修正できなかったことかなあ。ロイドの動きを止めることができなかった。短時間のうちに3点。4点取られてきつくなったね。

 予選のときからちょっとディフェンスには不安があって、どうにか守って来たんだけど、ロイドの速い動きにやられたね。

 なでしこジャパンは大儀見のゴールが綺麗だったね。岩淵にはもうちょっと頑張ってほしかった。ボールコントロールがうまくいってなかった感じ。川澄をひっこめたのは早すぎたような気もする。川澄の動きとクロスは機能してたので。

 

 結果は残念だったけど、なでしこジャパンにはお疲れさまと言いたい。そして一か月に渡るワールドカップの観戦を楽しませてくれてありがとう。元気もらったよ。やっぱりこれだけスポーツ観戦でエキサイトさせてもらって観客として楽しかった。 女子サッカーではあるけど、サッカーは男性本能を興奮させるスポーツ。それを存分に味わった感じ。

 

aishirou.hatenablog.jp

 

 選手たちには悔しい気持ちがあると思うけど、これをバネにするんだろうね。

 最後にこうやって女子をまとめて率いて成果を出してる佐々木監督はすごい。

 

 さて私は次の楽しみは何にしよう。

 ではでは。

 

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