あいしろう blog IMAGINE

想像してみよう。それは何をもたらす? この後どうなる?   ときに楽しい夢を。ときには厳しい視点で。 

近大開発の「ウナギ味のナマズ」。 顧客視点ではちょっとなあ、資源枯渇の対策活動としては尊敬するけど。。 

 マグロ完全養殖等で有名な近畿大学(近大)が「ウナギ味のナマズ」を開発したと発表しテレビ等で話題になってた。

 さて皆さんに聞きます。お金出して食べたいですかあ?」 試しに食べたいというのはわかる。質問変えると「ウナギが欲しいときにいくらまで出しますか?」 答えは半値位かなあ?

 近大の発表によると半値を目指すとあるので、まあそれならありの開発ではある。でも通常の商品開発としてはマイナス志向だよね。

 そもそも「ウナギ蒲焼」の顧客価値は「ウナギ」自体にあると思う。要はブランド。その「ウナギ」がないから「ナマズ」にして、一番大事な価値をまず下げてる。「ナマズ」ってちょっと気色悪く感じるので、その払拭は大変そう。それで味なんだけど、報道によるとウナギよりちょっとあっさりしてるとのこと。これもウナギ本来の価値を下げてるように聞こえる。

 ウナギが食べたいときに高いからナマズにして、味はウナギのように濃厚でなくあっさりとなると、やっぱり半値以下だなあ。 報道を観てると他にも「育成期間が半分」など、作り手、供給者の視点でのメリットが目立つのにちょっと違和感を感じた。まあ、養殖業とかの人は喜ぶだろうけど、もう少し顧客視点のプレスにすればいいのになあ。発想が、「ウナギ資源が枯渇してる」から来てるからこうなっちゃうんだろうな。

 私だったらまずなんかネーミングを考えて、「美味しい蒲焼」として売り込むなあ。他の栄養とかの顧客価値を前面に出して「ウナギよりいい蒲焼」として。もしかしたら「ナマズ」ということは言わないかも。(確か魚類は言うことは法的にはマストではないかと) まあ「ウナギ」自体の価値がバカ高いので、それでも半額も厳しいかもしれないけど。

 たぶん今のままだと流通に買い叩かれて安売り合戦に巻き込まれるように思う。もしくは安居酒屋とかの外食の蒲焼メニューとか。回転寿司の魚が名も知られてない深海魚とかが使われてるのは有名な話だけど、それと同じ扱いとか。顧客価値がないただの安い、効率がメリットだとこうなっちゃう。皆で思考、努力してアピールすべきは顧客価値の創造なんだよ。効率化は裏の仕事(大事だけど)。

 漁業資源が大変厳しい中、近大の養殖開発を私は大変尊敬している。要はその努力を「作り手視点」ではなく「顧客視点」でもっとアピールして欲しいと感じた。

 

 ではでは。

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