あいしろう blog IMAGINE

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社会の表と裏。こわい映画 「アス」を観た。ジョーダン・ピールの作品って面白い

 ジョーダン・ビール監督・脚本のホラー映画「アス」(Us)を観ました。2019年公開なので4年前の作品です。

 

 こわかったです。物語の進行もドキドキ、ハラハラしてこわかったですが、最後のオチが一番こわかったです。人間社会の表と裏をつきつけられたようで、ドキッとしました。

 

 

 

 

 ジョーダン・ピール監督・脚本の作品は、2022年にNOPE/ノープ」を劇場で観て面白かったので振り返って2017年の初監督作品の「ゲット・アウト」(Get Out)を観て今回の「アス」は3本目です。

 ジョーダン・ピールは、コメディアンとして活躍した後に映画製作に乗り出したそうで、両面で活躍できるなんてすごい才能ですね。

 

 彼の作品に感じるのは黒人の視点から観たアメリカ社会です。黒人が主人公というところから新鮮に感じるのですが、空想物語のホラー映画ながら、アメリカ社会に突きつける皮肉を感じます。

 

 ネタバレになりますが、今回の「アス」で、一番こわかったのは最後に裏社会の人々が手をつないで数珠つなぎで並んでいる光景で終幕したことでした。あの裏社会の人々は何だったのでしょう? ジョーダン・ピールの下記のコメントを読んで少しわかりました。

 

「『アス』における主題の一つは、我々が特権に与れない人々の存在をすっかり無視できるということなのです。私たちが享受するに値すると思っているものは、他者の自由や幸福の犠牲の上に成立しているのです。アメリカ合衆国のような、特権を享受する党派的な存在がなし得る最大の害悪は、自分たちが特権に値する人間だと思い込んだり、特権に与れるのは良い場所に生まれたという幸運によるものではないと考えたりすることなのです。私たちが特権を保持しているとき、他の誰かはそのために苦しんでいるのです。つまり、苦しむ人間の存在と富を享受する人間の存在は表裏一体なのです。この点において、クローン人間たちの決起は最も心に響くものになっていると思います。観客の皆さんには、この事実を決して忘れて欲しくないのです。我々は恵まれない人たちのために闘う必要があります。」(出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)

 

「苦しむ人間の存在と富を享受する人間の存在は表裏一体」はアメリカ社会の現実なんでしょうね。今の日本にも当てはまることだと思います。

 

ではでは。

 


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