あいしろう blog IMAGINE

想像してみよう。それは何をもたらす? この後どうなる?   ときに楽しい夢を。ときには厳しい視点で。 

NHK「解体キングダム」超高層ビルの解体は工法や作業がすごい。でも失くしちゃっていいのかな?

 5月31日(水)に放送されたNHKの「解体キングダム」を観ました。私はそれほど熱心な視聴者ではないですが、放送されていたら観ます。 観だすと、大きな建物や道路などの解体現場にカメラを入れた、普段は観られない作業や関わっている熱意の人の映像に興味が沸いて終わりまで観てしまいます。

 

www.nhk.jp

 

 

 今回のテーマは東京 浜松町にある「貿易センタービル」の解体でした。1970年にできた高さ162メートルの超高層ビルです。高度成長期だった当時、このような高さ100メートルを超える高層ビルは日本にはまだ珍しく、1968年にできた「霞が関ビル」が超高層ビル第1号で、その後、この「貿易センタービル」が第2号で、霞が関ビルを高さで抜いたと話題になったのを覚えています。

 

ja.wikipedia.org

 

 

 ビルのある浜松町は、羽田行きのモノレールの始点の駅のある場所として有名ですが、おそらく仕事等で用がある人以外はあまり行かない街でしょうね。私はこのそばの高校に通っていたので、浜松町駅の周りは学生時代によくブラブラしていました。貿易センタービルの中にはそれ程入っていませんが、いつも横目で観ながら歩いていました。こげ茶色の外壁にストレートにすらっと延びた外観は好きでした。

 

 

 

 

 番組では、都会の真ん中の混み入った場所に建つこの超高層ビルの解体には今まで経験したことがない困難さがあるとのことで、その困難な作業を解体終了まで追っていました。

 

 特許技術を駆使したり、腕利きのとび職の方が活躍したりして、内部の床や壁、そして難しい外壁の解体と周囲に配慮しながら作業していました。それらの工法や作業は高度で大変おもしろく、そして担当されている方々の熱意とその仕事っぷりには頭が下がりました。 想像するに建てたときは解体しやすさなどはあまり考慮されてないのでしょうから、建てるのより解体は大変ですよね。

 

 番組で「今や多くの超高層ビルがある。それらも解体するときが来るのでこの解体は試金石になる」というような主旨のナレーションが流れました。そのときにふと思いました。

「解体しないで残した方がいいんじゃない?」

 

 ニューヨークの「エンパイア・ステート・ビルディング」は1931年に完成です。他にも「クライスラービル」、「トランプ・ビルディング」なども1930年にできたビルだそうです。作ったビルを使い続けることも重要なのではないでしょうか?

 

 今回の「貿易センタービル」の建て替えは、浜松町の再開発もあり、より良き環境を作る主旨があるようで、経済的合理性では正しいのかもしれません。でも作っちゃ、壊して再び作るという『スクラップアンドビルド』のサイクルは見直した方がいいようには感じます。 長く利用するには、修繕や設備の更新など様々な費用や労力が必要、どうしても直せないところがあって不便さが残るということは想像できます。ただ巨大なビルは作るために多くの資源を使っているので、解体して建て直すとなるとさらに多くの資源を使うことなるのではないでしょうか? 解体した後の廃棄物はどう処理しているのでしょう? そこも取材してほしいと思います。

 

 ちょっと調べたら新宿住友ビル、通称三角ビルは、リノベーションして使い続けるそうですね。いいなと思いました。

 

www.asahi.com

 

   今回の「貿易センタービル」の再建が悪いとは言いませんが、今東京にある多くの高層ビルはなるべく長く使ってほしいなと思います。

 

 ビルの建設は個々の業者が主体で進められるとは思いますが、都市の開発には大きなビジョンが必要だと思います。そういえば神宮外苑の開発で、都知事は「事業者が決めること」とコメントしていましたが「そこは違うだろ」と私は思います。

 

 素人が何言ってんだと言われそうですが、物は大切に使い、良い環境は壊さないようにしたいですね。

 

 ではでは。

 


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