先日、今年7月から小金井市『江戸東京たてもの園』でやっている「ジブリの立体建造物展」に、ちょっと遅ればせながら行ってきた。学生時代に友達がいたのでときどき来ていた小金井方面だが、来訪は10年以上ぶりになるかなあ。武蔵野の森や雰囲気が和やかでいい感じ。日曜日に車で行ったのだが午前10時過ぎと早めに行ったためか、駐車場もスムースに入れた。会場は都立小金井公園内にあるので公園の駐車場を利用。公園は広く、木々に秋の紅葉も交じりいい感じだ。
「ジブリの立体建造物展」は、ジブリの作品別に登場した建物を中心に忠実に再現された模型、ジオラマや背景画などが展示されている。こだわりのジブリ作品だけに建物もしっかり設定が設計されていて、事実、時代背景に忠実なもの、想像の産物だけど理に適った造りのものと、そのこだわりぶりが実感できる。模型、ジオラマもよくできていて色々な角度から見たり、建物の中を覗いたりするのが楽しい。展覧会のチラシにもメインで載ってる『千と千尋の神隠し』の湯屋「油屋」の模型は圧巻だが、個人的にはハイジやマーニー、アリエッティ、コクリコ坂とかが面白かった。あ、それぞれ思い入れのある好きなアニメだからか。。(ジブリ、宮崎駿の長編映画の中で一番好きなのは、『風の谷のナウシカ』だけど。)
模型もいいのだけど、一緒に多くの背景画をナマでそばで見られるのが嬉しい。アニメの背景画の技術は驚愕のレベルだと思う。そして美しい。私は少し絵を描くのだが、背景画を見ると「すっげーっ」と思うだけで、「こんなレベルにはとてもなれない」と落胆してしまう。日本は雑誌という媒体がマンガを文化として確立したが、ともにテレビを中心に確立されたアニメという文化、ビジネスができてホントによかったと思う。その文化、ビジネスがこのような背景画をできる人々が生活できる場を作り、そこで技術、構成力が育ち、醸成し、それが美を生み出している。1本のアニメを作る時の背景画の量は大量だと思うが、それぞれをこのクオリティで短期間で描いてしまう技量は、ホントにすご過ぎるとしか言いようがない。

- 作者: 男鹿和雄
- 出版社/メーカー: スタジオジブリ
- 発売日: 1996/06
- メディア: 大型本
- 購入: 3人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (10件) を見る

- 作者: 男鹿和雄,スタジオジブリ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 大型本
- 購入: 11人 クリック: 62回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
展覧会を観た後、『江戸東京たてもの園』も廻った。江戸時代から昭和初期までの、30棟の復元された建造物が並んでいて、建物の中に入って細かく観たりできる。全部観て回るには、2~3時間は軽くかかる位の規模だ。恥ずかしながら行くまで、このような野外博物館があるのは知らなかった。高橋是清邸や三井八郎右衞門邸を見ると近代の金持ちの家を実感できるし、東の商店を再現したゾーンは銭湯の建物に入れたり、下町風情、懐かしさが漂っていて楽しい。
ジブリ作品もこのたてもの園も、懐かしさや、その根底に流れる人間の本質的なところを感じて、今の生活を振り返るにはいい機会を与えてくれると思う。大切なことは、このような根底を忘れずに、どうこれから生きていくかだ。