あいしろう blog IMAGINE

想像してみよう。それは何をもたらす? この後どうなる?   ときに楽しい夢を。ときには厳しい視点で。 

音楽の力、自分の実体験と映画「パーソナル・ソング」

 私は悲しい映画を観ても、感動的な話を聞いてもほとんど泣くことはない。しかし先日、友達の結婚式で泣いてしまった。結婚したのは親しくしている女友達で素敵な旦那さんとの楽しく素晴らしい式だったのだが、泣いたのは新婦の友達が歌ったときだった。

 新婦の本業が歌手ということもあり友達も音楽関係者が多く、余興で女友達仲間がグループで歌い、男友達がソロで歌声を披露した。女友達グループの方は元気よく永遠の友情を歌い、私はそのリズムに乗りながら、”仲間っていいなあ”と感じ自然と涙してしまった。新婦が以前から彼に歌って欲しいと願っていたという男友達は綺麗な美声でバラードを歌い、希望が叶ったためか新婦本人も泣き、そして私も釣られて泣いた。私は今まで結婚式で両親への感謝の言葉等聞いても泣いたことがなかったのに今回は2度も泣いた。歌声とメロディ、リズムという音楽の力が私の脳を強く刺激し、その力が涙を誘ったのだと思う。

 音楽で号泣したことが今まで一度だけある。私が大好きな忌野清志郎の葬儀のときだ。2009年5月2日に癌で亡くなった清志郎の葬儀が青山葬儀所で行われ、私もファンの一人として参列した。葬儀が始まる前、会場に清志郎の音楽が流れていたのだが、私の大好きな「トランジスタ・ラジオ」が流れたとき、自然と目から涙があふれ私は号泣した。いい年をした私が今までの人生の中で初めて経験した、こらえきれない涙であった。溢れ出す涙を止めることもできず、ボロボロと泣いた。今まで何万回も聴いた「トランジスタ・ラジオ」、その曲が流れて、脳を強く刺激したのだと思う。

 そのように、音楽には、会話や文章とは違う、何か不思議な、脳、感情を刺激する力がある。

 そんなことを思っているとき「パーソナル・ソング」という映画があることを知った。原題「Alive Inside」。 内容は認知症アルツハイマー病の患者達が、思い入れのあった音楽を聴くと、過去のことや音楽に関わりのあることを思い出し、劇的に病気が改善するという実話の映像を綴ったものだ。サンダンス国際映画祭で観客賞を受賞している。予告編を見ると、多くの患者達が、それまでぼーっとしていたのに、音楽を聴くと突然、興奮して色々な事をしゃべり出し、踊ったり元気になる姿が映し出されていた。その後、Webで検索してみたのだが、認知症などの治療に音楽を使う試みは色々行われているようだ。

 おそらく音楽は、言語中枢とは違うところに、特別なところに記憶されているのだろう。そして思い出のある音楽を聴くと、そこが刺激され、脳が活性化される。
 音楽は、ときどきの記憶とリンクされている経験は私にもある。ふと街中で古い曲を聴くとそのときの自分の経験や思い出がよみがえってくる。ときには詳細な映像のイメージも伴って。

 音楽には不思議な力がある。それを改めて感じた。映画は12月公開とのこと、是非観てみたい。

 ではでは。

パーソナルソング | 2014年12月6日(土)シアターイメージフォーラムほか全国順次公開



音楽の力が認知症を救う!『パーソナル・ソング』(14/11/01) - YouTube