あいしろう blog IMAGINE

想像してみよう。それは何をもたらす? この後どうなる?   ときに楽しい夢を。ときには厳しい視点で。 

大友克洋トリビュート画集 TRIBUTE TO OTOMO。これがBreak Throughしたものの影響だと実感。

 この前のブログでも書いたけどもう一個の私的マンガの最近の事件は、大友克洋トリビュート画集 「TRIBUTE TO OTOMO」の発刊。 これは昨年のフランスでのアングレーム国際漫画祭・最優秀賞受賞記念とのことで、その賞を受賞されたことを知らなかったので改めておめでとうございます。

 ここに参加してるのは日本からは、江口寿史上條淳士桂正和松本大洋望月峯太郎貞本義行士郎正宗高野文子竹谷隆之谷口ジロー浦沢直樹吉田戦車などなど凄い面々。それだけでなくフランスなど海外からもたくさんの人が参加して大友さんの作品をモチーフにしたオリジナルのイラストが掲載されている。

 どのイラストも独特で楽しいのだが高野文子さんとかはかわいい表現をしてさすがだなと思った。

 しかしこれだけ集まるとは凄いね。観てると海外作家は「AKIRA」を題材にしている作品が多くて、日本人は「童夢」や初期の作品を題材にしてるものも散見されるのが興味深い。やっぱり海外には「AKIRA」がアニメも作ったし多大なインパクトを与えたんだね。 一方日本人にとって、私も含めてマンガ愛好家にとって、「AKIRA」以前からもう衝撃だったから。

  知ってる人は多いとは思うがフランス、ベルギーには大人向けのマンガとも言うべき「バンド・デシネ」というジャンルがあって、私も大好きでフランスに旅行するときはいつも何冊か買って帰る。日本のマンガと違ってたいてい豪華な装丁な本で、絵もリアルだったりちょっと乾いていたり、内容も哲学的だったりする。その中でもメビウスというすごい作家がいて、大友さんはメビウスに影響を受けたと言われていたが、確かに細い輪郭で描かれた乾いた絵とロングを多用する遠景や描写や独特な浮遊感のようなものは似ているところがある。とはいえ大友さんのオリジナリティは鮮烈で、それはフランスの「バンド・デシネ」の作家にもこれだけ愛好されてるんだなと感心した。

 前にも書いたけど大友さんのマンガの登場はそれはそれは大きな事件だった。そして以前から連続的ではない、非連続なそのマンガは、本当にBreak Throughででっかい影響をマンガ界に与えたんだと思う。 いやーやっぱり偉業だなあ。 そしてその時代に一緒にマンガを愛好していたことがすごく嬉しい。 

 次の事件はなんだろう?

 

ではでは。

 

TRIBUTE TO OTOMO

TRIBUTE TO OTOMO

 

 

 

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