あいしろう blog IMAGINE

想像してみよう。それは何をもたらす? この後どうなる?   ときに楽しい夢を。ときには厳しい視点で。 

森田芳光監督を改めて観ている、「の・ようなもの のようなもの」の後に。

 「の・ようなもの のようなもの」をDVDで観た。泣けた。特段、北川景子松山ケンイチの演技が良かったからではない。 元の作品、「の・ようなもの」(森田芳光監督)が好きだったから、その余韻を楽しむように泣いた。 この映画は61歳で亡くなられた森田芳光監督へ捧げられた、「の・ようなもの」のその後を描いた作品だ。

 志ん魚(しんとと、伊藤克信)の太り加減と、松山ケンイチの抜け加減と谷中辺りの下町生活がよかったな。

 

の・ようなもの のようなもの [DVD]

の・ようなもの のようなもの [DVD]

 

 

 その余韻を引きずるように「の・ようなもの」他、森田芳光監督の作品を何作か観た。

 「の・ようなもの」は1981年の作品。若手落語家の志ん魚(しんとと、伊藤克信)を中心に東京の下町の若者生活を淡々と面白おかしく描いた作品。別に強い物語性があるわけではないどうってことない日常の話なんだけど、好きな映画だった。志ん魚が終電のなくなった下町を独り言いいながら一人で歩いていく描写は特に好きだった。改めて観てみるとファッションとか古臭さは否めないだけど、くすっと笑えるおかしみとしんみりした感じが心に残る。(そうそう、まだこの頃は「トルコ風呂」と呼んだんだよね、「ソープランド」は)

 

 

の・ようなもの [DVD]

の・ようなもの [DVD]

 

 

 その後、「海猫」(2004年)を観た。あちゃー、これは失敗作だなあ。伊東美咲が、ロシア人とのハーフの異人感を出せてないしなあ。お話も共感できなかった。残念。

 

海猫 [DVD]

海猫 [DVD]

 

 

 次は(ハル)(1996年)。そうだよね、この頃はパソコン通信がはやり出したときだよね。 ネットの交流とリアル。このテーマはこのときの映画としては新鮮だったと思う。たくさん賞も取ったようだし。でも技術はもっと進歩し、ネット、SNSが当たり前になった今見ると、これは通過点だったなと感じる。もちろん東京と盛岡での生真面目な男女の交流、恋愛というテーマは薄れるものではないけど。時代の事象を捉えることの難しさを感じた。 深津絵里はかわいくてよいね。内野 聖陽は今の真田丸徳川家康と同一人物とは思えない若々しさ。。

 

(ハル) [DVD]

(ハル) [DVD]

 

 

 そして「それから」(1985年)。 「家族ゲーム」(1983年)で脚光を浴びた松田優作主演、森田芳光監督コンビの作品。明治時代の許されざる三角関係。いい色合いでの映像描写、二人の会話などを凝ったアングルで撮る描写、淡々と進む進行。なかなかの上級な仕上がり。藤谷美和子のはかない色気も良い。森尾由美のきゃんきゃん気味もおかしい色を添えている。このとき19歳なんだね。 いい作品でした。

 

それから [DVD]

それから [DVD]

 

 

 もっと他にたくさん作品があるけど、明治時代から昭和の若者、パソコン通信など、これだけでも森田芳光監督は色んな時代を描写し、描写手法も様々で色んなことにチャレンジした幅の広い監督であることが分かる。 ま、中には駄作もあるけど、そのチャレンジ精神とその成果はすごい。好きな監督です。

 まだまだ他の作品も観てみよっと。

 

 ではでは。

 

お題「最近見た映画」